コロナ収束後に向けてマーケターが今できることとは?

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目次

中国では消費活動が回復傾向に

まずは新型コロナウイルス感染のピークが終わり、収束され始めている中国の経済活動を見てみましょう。

下記は、JETRO(日本貿易振興機構)の情報です:

「これまでの累計でみても、3月2日午前0時時点で累計感染者数は8万26人、うち現在の感染者数は3万2,652人、累計回復者数は4万4,462人となっており、回復した人数が現在の患者数を既に上回っている。中国での新型コロナウイルス感染拡大の勢いがピークアウトしている様子がうかがえる。」

更に、国家衛生健康委員会ハイレベル専門家は、4月末までには感染抑制がされるだろうと予測されています。

Taco Bell negative sentiment in January

参照元: JETRO

この動きに加え、中国国内でのビジネス活動も再開し始めています。中国で一時的に営業を中止していたスターバックス社も、中国にある大半の店舗を営業再開させました。CEOのケビン・ジョンソン氏は、「中国では現在、85%の店舗が営業している」とツイート上で発表しています。

ケビン氏のツイート

オンラインビジネスでもこの回復の兆しは見えてきています。スポーツブランドのNIKEが発表した2020年度の第3四半期の会計報告では、中国管轄下でのオンライン売上が30%増との報告をしています。

 

参照元:NIKE, Inc.

世界的に経済活動が停止している中、このニュースはSNS上でも反響が大きく、
ツイート上でも驚きのコメントが多く挙がっていました。

このニュースはオンライン上でも拡散されました。Talkwalkerの拡散マップでは、ニュースやSNS上の投稿が「どのチャネルに」「どのタイミングで」拡散されたのかを時系列で見ることができます。今回は、このオンラインのニュースが、主にツイッター上で拡散されたのが下記の図で表現されています。

Talkwalkrの拡散マップ機能ー投稿の影響度や
会話の繋がりを見に行くことができる

また、この拡散マップでは、ポジティブ・ネガティブ判定するセンチメント分析の結果も見ることができます。(赤はネガティブ、緑はポジティブ、黄色はニュートラルになります) この機能は、ブランドリスニング、リスクモニタリングや、炎上拡大防止といった目的に活用されています。

2020年4月の時点では、中国国内で、経済活動の再開に向けて、各企業が積極的に動いている傾向が見られます。

もちろん、警戒体制は継続されていますが、特にオンラインの販売活動に注力することで、まずは購買意欲が戻り始めてきている消費者たちのニーズに答えています。今後、中国経済がどの様に回復していくかをモニタリングしていくことで、日本のコロナ収束後をある程度予測していくことができるのではないでしょうか。

大事なポイントは、日頃からオンライン・SNS上でどのような会話がされており、どのトピック・キーワードが話題になっているかを常にチェックしていくことです。
まずは、自社ブランド・商品名・サービス名のSNSモニタリングから始めてみましょう。

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話題のキーワード「巣ごもり消費」とカップヌードルの関係性

それでは、次に日本国内の動きを見ていきましょう。まずは、最近国内で話題になっている「巣ごもり消費」に関するキーワードをSNS分析してみました。キーワードのボリュームから見ていきましょう。

Taco Bell negative sentiment in January

データの対象期間は1月9日~4月8日の3か月になります。

この期間での実質投稿数は、全体で14万8000件ありますが、その内の8万8000件が3月23日時点で発生しています。上記の図ではその部分がピークとして表現されています。SNS分析では、このようなピークのインサイトを掘り下げていくことで、何がトレンド・話題になっているのかを発見することができます。

TalkwalkerのUIでは、ピークの箇所をクリックすると、実際にその日に話題に挙がった・エンゲージの高かった投稿のリストを表示することができます。

最もエンゲージメントの高い順に並び変えたトップ5の投稿リストがこちらです。

 

その中でも、最もエンゲージメントの高かった投稿(ツイート)がこちらです。

当時、世界各国でロックダウンが実施されるというニュースが流れている中で、
「巣ごもり消費」のキーワードの量が増加し、同時にニュースでも取り上げられていました。

その際、とあるTV番組で、カップヌードルを製造・販売している日清食品社の大手即席めんメーカー担当者の「全員が毎日カップラーメンを食べなければ絶対に在庫は尽きない」というコメントが反響を呼んだことが発見できました。

このツイートの拡散マップをみても、短時間の間にツイートやブログ上で拡散されたことが分かります。

Taco Bell negative sentiment in January

この結果は別の機能からも発見することができます。

「巣ごもり消費」と一緒に投稿されているキーワードを集めたテーマクラウドという機能から分析すると下記の結果が出力されます。

Taco Bell negative sentiment in January

ここで表示される文字の大きさはとキーワードの量と比例しているので、日清食品のキーワードが多く投稿されたということが分かります。

当時、日本国内でも不要不急の外出は自粛するように要請されており、保存食の確保ができないのではないかという不安の中で、日清食品社の担当者が発したこのコメントが頼もしく感じられたようです。

SNS上でも、感動のコメントが見られました。

今回の分析では、巣ごもり消費とカップヌードルの関係性を発見しました。日清食品社は、新型コロナウイルスの影響を予測し、2月から増産の準備をしていたことで、消費者からのニーズに答えることができました。

もちろん、今回のような世界中に影響を与えるクライシスや、自然災害などは予測不可能です。しかし、日頃からオンラインやSNS上でどのような話題が挙がっていて、消費者達はそのことに対して何を感じているのかをモニタリングしておくことで、その話題から派生した彼らのニーズに答えていくことができます。

その他の事例もこちらで紹介

「#コロナに負けるな」から見えた意外なインサイトとは?

では次に、最近話題になっているハッシュタグ「#コロナに負けるな」を追跡してみましょう。今回はそこから見えた意外なインサイトを発見しましたので、ご紹介します。

まずは、「#コロナに負けるな」に関するキーワードから見ていきましょう。この機能では、一緒に投稿されている絵文字も表示することができます。

 

 

絵文字を見ていくと、桜の絵文字が大きく表示されているのが分かりますでしょうか。通常あまり使われない絵文字とも言えます。ここからもう少しデータを深堀していってみましょう。

Talkwalkerでは、最先端のAIを搭載した画像・動画の分析機能が活用できます。通常の画像像・動画分析機能では、ブランド・商品・会社名などがテキストデータとして投稿文に含まれていないと認識されません。Talkwalkerの画像認識機能では、投稿上にブランド・商品名が言及されていなくても、ロゴデータ(もしくはキャラクターや特徴のある画像など)のみを認識することが可能です。

それでは、この画像分析機能を使って、深堀してみましょう。画像分析機能では、「#コロナに負けるな」というハッシュタグがついた投稿内で、どのようなシーンが多かったのかを分析してくれます。

トップは果樹園とありますが、実際の画像データを見てみると桜の写真を投稿していることが多いのが分かります。

 

最もエンゲージメントが高かった投稿をみていくと、桜のシーンと共にコロナに負けないというメッセージを入れているパターンが見えてきます。

ちょうど3月の下旬から4月の上旬という桜が開花している時期でありながらも、外出規制でお花見ができず、「それでもコロナに負けない」という想いを込めた投稿が多いことが分かりました。

例えば、このインサイトをリアルタイムでモニタリングしていた場合、次回のSNS投稿は桜のモチーフや絵文字を入れてみる、もしくは桜と商品を撮影した写真を投稿してみるといったアレンジを入れることで、よりエンゲージメントを高めることができます。このようなインサイトは、常に自社のSNS運用やキャンペーンにすぐに活かすことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

コロナウイルス感染が拡大している中、今後の経済活動や消費者の購買行動に影響がでることに関して不安に感じられている方も多いと思いますが、コロナウイルスはいつかは収束します。 中国ではすでに回復傾向にあり、消費者の購買意欲が戻っている中、最適なタイミングでキャンペーンを実施する必要があります。その時を今から見据えておき、そちらに向けて準備をしておきましょう。

アフターコロナ時代に向けた新SNS分析手法レポートでは、リアルタイムで消費者インサイトを発掘する方法や、食品・リテール業界の事例を紹介しています。是非今後のマーケティング活動に向けてご活用下さい!

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